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 ウィンチェスター

アメリカの西部開拓民が先住民との戦いや狩猟などに使い、「西部を征服した銃」と知られるウィンチェスター。
そして、アメリカには広く知られるウィンチェスターがもう一つある。
カリフォルニア州サンノゼにあるウィンチェスター・ミステリー・ハウスだ。
 
1866年に娘、 1881年に夫を亡くしたウィンチェスター社二代目社長夫人サラ・ウィンチェスターは、深い悲しみに暮れ友人の薦めで霊媒師の助言を求めた。
霊媒師は、「ウィンチェスター家が代々製造してきた銃で殺された人々は彷徨える亡霊となり、あなた様に復讐をしています。もし、彼らの災いから逃れたければ、西の地に壮大な城館をお建てなさい。決して完成させることなく、 24時間 365日休むことなく造り続けるのです。そうすれば、亡くなったご主人やお子様らが精霊となり、一族を怨む悪霊からあなた様をお守りするでしょう。」と告げたという。
サラは、すぐに住んでいた邸宅を売却、カリフォルニア州へ移住して屋敷の建設工事を開始した。それ以来、 192295日に彼女が亡くなるまでの 38年間、 365日、 24時間一時も休むことなく屋敷を建て続けさせた。
その結果、屋敷は部屋数 160、寝室 40、暖炉 47、煙突 17、キッチン 6、窓ガラス 10,000、ドア 950、地下室 2を有する大豪邸かつ、世にも稀な奇妙なものになった。
邸内は、悪霊が侵入しにくく出て行きやすくするためか、はしごがなければ入れない出入り口、開けると壁になっているドア、天井に突き当たる階段など不可思議なつくりが数多くあり、階段の段数、バスルームの数、窓の意匠などの各所に、サラが幸運をもたらすと考えていた数字の「 13」と「蜘蛛の巣」が表されている。
 
「西部を征服した銃」を発端にして、誕生したウィンチェスター・ミステリー・ハウス。
そこはまさに現代の迷宮だった。